Sansui AU−α907. 2台目修理記録
平成19年6月3日持込   平成22年10月23日返却
注意 このAMPはSP出力の線(アース側)も増幅しています。
    アースに接続してはいけません。RL−SPのアース線も接続(共通)してもいけません
    又、DC−入力が可能ですが、絶対に使用しないこと=詳しくはここ参照

    終段FET(電界効果トランジスター)を、現在の高性能に交換してありますので、出力が1.2倍出ますので注意して使用する事
  • A. 修理前の状況
      こいつの調子が悪くなり始めたのは半年ほど前のことでした。
      片チャンネルから全く音が出なくなったり、 ひどいノイズが音に乗るようになりました。
      17〜18年ほど前に、21歳の学生の頃、清水の舞台から飛び降りる気持ちで バイト代をつぎ込み足りない分はローンを組んで買い求め、
       以来人生の半分近くを共に過ごしてきたアンプです。
       「とにかくこの子を直してやってください」という気持ちです。

  • AE. 仮修理での測定

  • B. 原因
      経年変化による各部劣化

  • C. 修理状況
      SP接続リレー交換(容量1.5倍の同型新タイプ使用)
      バランス、バイアス調整用 半固定VR交換
      初段FET(電界効果トランジスター)
      カップリング電解コンデンサー交換
      配線手直し、補強
      各基板、半田補正
      電解コンデンサ−を全部(6個の大容量は除く)オーディオ用に交換(ミューズを使用)
      終段FET(電界効果トランジスター)交換
      RL終段ユニットスチコン交換
  • D. 使用部品
      SP接続リレー                    3個
      バランス、バイアス調整用 半固定VR    12個
      FET(電界効果トランジスター)            8個
      抵抗
      電解コンデンサ−                62個
      終段FET(電界効果トランジスター)         16個
      RL終段ユニットスチコン              14個
  • E. 調整・測定

  • F. 修理費  150,000円    オーバーホール修理。
                           平成22年10月23日ユザー都合により返却。
  • S. Sansui AU−α907 の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の点検
A−1A. 点検中 上蓋をとり上から見る
A−1B. 点検中 清掃後上から見る
A−2A. 点検中 頭のビニールが後退した形跡が見られる、電解コンデンサー
A−2B. 点検中 R終段FET(電界効果トランジスター)の放熱器の埃
A−2C. 点検中 L終段FET(電界効果トランジスター)の放熱器の埃
A−3A. 点検中 下蓋をとり清掃後下から見る、L側が高温で焼けて、左右の放熱器の色が異なる。
A−3B. 点検中 取り外した下蓋の埃
A−4A. 点検中 L側終段ユニット。 電解コンデンサーの頭が膨れ、パンク寸前!
A−4B. 点検中 L側終段ユニット。 発振か? 高熱になり熔けたスチコン!
A−4. 点検中 交換終段TR(トランジスター)比較  
                   左=今回使用する180W損失の物で最新の物(これ以後開発された物はなし)
                   中・右=使用されていた125W損失  全て東芝製品
A−5. 点検中 電解コンデンサーを全部(A−1.の上の6個の大容量は除く)オーディオ用に交換
          下記のミューズ及びゴールドを個使用(大きさ、容量異なる)
A−6. 点検中 SP接続リレー比較 左=付いていた接点容量7A=8Ω出力だと392W定格
                        右=交換する接点容量10A=8Ω出力だと800W定格
AE. 仮修理での測定
AE−1. 出力・歪み率測定・調整
    <見方>
   下段左端 オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出し(歪み率=約0.003%)これをAMPに入力し、SP出力を測定
   下段中左 オシロ=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル)   下段中右上=周波数計
   上段左端 電圧計=L側SP出力電圧測定、黒針のみ使用
   上段中左 歪み率計=SP出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力
   上段中右 電圧計=R側SP出力電圧測定、赤針のみ使用
   上段右端 オシロ=SP出力波形 上=R出力、下=L出力(実際にはRL電圧計の出力「Max1V」を観測)
   下段中右上 デジタル電圧計=SP出力電圧測定RLは切り替えて測定
AE−2A. R側SP出力37V=171W 歪率=0.5% AUX入力 1000HZ
AE−2B. R側SP出力37V=171W 歪率=0.4% AUX入力 400HZ
AE−3A. L側SP出力35V=153W 歪率=0.8% MM入力 1000HZ
AE−3B. L側SP出力36V=162W 歪率=1% MM入力 400HZ
S. AU−α907 の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 インテグレーテッドアンプ  AU-α907
パワーアンプ部
実効出力(10Hz〜20kHz、両ch駆動) 190W+190W(6Ω)、 180W+180W(8Ω)
全高調波歪率(実効出力時) 0.003%以下(8Ω)
混変調歪率 0.003%以下(8Ω)
ダンピングファクター 100(6Ω)
周波数特性(1W) DC〜300kHz +0 -3dB
入力感度/インピーダンス(1kHz) Normal:1V/5kΩ、 Balance:1V/5kΩ
SN比(Aネットワーク) 120dB以上
TIM歪(SAWTOOTH) 測定限界以下
スルーレイト ±200V/μsec
ライズタイム 0.5μsec
イコライザー部
入力感度/インピーダンス(1kHz) Phono MM:2.5mV/47kΩ、 Phono MC:300μV/100Ω
CD、Tuner、Line、Processor:150mV/47kΩ
Tape play/DAT-1、2、3:150mV/47kΩ
Phono最大許容入力
(新IHF、THD 0.01%)
MM:210mV
MC:21mV
周波数特性(1W時) Phono MM:20Hz〜20kHz ±0.2dB
CD、Line、Tape play/DAT-1、2、3:1Hz〜300kHz +0 -3dB
SN比(1W時) Phono MM:88dB以上、 Phono MC:70dB以上
Tuner、Line、CD:110dB以上、 Tape play/DAT-1、2、3:110dB以上
トーンコントロール Bass:±5dB(50Hz)、 Treble:±5dB(15kHz)
ターンオーバー周波数 75Hz、150Hz、7kHz
サブソニックフィルター 16Hz(-3dB、6dB/oct)
ラウドネス +8dB(50Hz)、+6dB(10kHz)
総合
定格消費電力(電気用品取締法) 370W
外形寸法 幅448x高さ160x奥行441mm
重量 28.0kg
価格 ¥198,000(1986年発売)
                      a907-2d
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