SANSUI TU−9500. 4台目修理
同時修理 AU−9500. 16台目         2021/3/21持込   3/30完成
A. 修理前の状況
  • SANSUI製、AU-9500(アンプ)及びTU-9500(チューナー)各1台の オーバーホール修理をお願いしたい。
    オーディオに、興味を持ち始めた中学の頃、本機が欲しくて欲しくてたまりませんでしたが、 購入出来るわけもなく、いつかは欲しいと長い間想っていたのですが、 数年前にやっと程度が良いと思われる物を購入し、常用せずに保管していました。
    どちらかでオーバーホールをして頂く事をずっと考えており、貴社にたどり着きま した。
    最近、多少余裕も出来きて、無性に音が聞きたくなりましたので、 その前にオーバーホール修理をお願い致します。
    状況
     ・AU-9500(アンプ) ・・・・ 一通りの音出確認は出来ました。
     ・TU-9500(チューナー)・・ 感度が落ちてますが、近所のFM NACK5 79.5MHz等、受信は出来ます。
    修理品は、当方の住所がさいたま市ですので、車で持ち込み、引き取りをしたいと 考えております。


B.原因
  • 各部経年劣化による・機能劣化(歪み、感度)。
    ステレオ分離セズ。
    シグナルメーターランプ暗い。


C. 修理状況
D.使用部品
  • 電解コンデンサ−(ミューズ使用)       39個。
    フイルムコンデンサー               11個。
    半固定VR                      9個。
    TR(トランジスター)                28個。
    FET(電解トランジスター)             2個。
    テフロン絶縁RCA端子          3組7個。
    3Pインレット               1個。 FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
    3素子LED                 21個。
    整流ダイオード                4本。

E. 調整・測定
F. 修理費  95,000円    「オーバーホール修理」

Y. ユーザー宅の設置状況

S. SANSUI TU−9500 の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る。
A12. 点検中、 前右から見る。
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中、 後左から見る。
A15. 点検中、 上から見る
A16. 点検中 ケースを取り、上から見る
A17. 点検中 ケース・シールドを取り、上から見る
A21. 点検中、 下前から見る。
A22. 点検中、 下前左から見る。
A23. 点検中、 下後から見る。
A24. 点検中、 下後右から見る。
A25. 点検中、 下から見る。
A26. 点検中 ケース、下蓋を取り、下から見る
A31. 点検中 出力RCA端子郡。
A32. 点検中 出力RCA端子郡。テフロン絶縁RCA端子に交換。
A33. 点検中 交換するテフロン絶縁製RCA端子。 中心電極は円筒状で4つ割方式。
A34. 点検中 WBT製RCA端子WBT−0201。 さらに複雑な構造で「カチ」と差し込み感を与える。
A35. 点検中 最近の「RCAプラグ」の中心電極は2割になっているので接触不良が起きにくい。
A41. 点検中 電源コード取り付け。
A42. 点検中 電源コード取り付け。3Pインレットに交換。 FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ使用。
A51. 点検中 シグナルメーターランプが暗い。
A61. 点検中 電源ブロック電解コンデンサー比較。 左=付いている1000μ/50WV、右=交換する5600μ/50WV
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C11. 修理前 フロント・エンド(RF、MIX) MOS−FETによるRF2段増幅、MOS−FET−MIX
C12. 修理前 フロント・エンド裏
C14. 修理前 AM−RFトリマー
C21. 修理前 FM−IF基板
C22. 修理後 FM−IF基板 電解コンデンサー1個、半固定VR2個交換
C23. 修理前 FM−IF基板裏
C24. 修理(半田補正)後 FM−IF基板裏
C25. 完成FM−IF基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C31. 修理前 AM基板
C32. 修理後 AM基板 電解コンデンサー6個交換、半固定VR1個、TR(トランジスタ−)6個交換
C33. 修理前 AM基板裏
C34. 修理(半田補正)後 AM基板裏
C35. 完成AM基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C41. 修理前 MPX基板
C42. 修理後 MPX基板 電解コンデンサー13個交換、半固定VR2個、TR(トランジスタ−)16交換
C43. 修理前 MPX基板裏
C44. 修理(半田補正)後 MPX基板裏
C45. 完成MPX基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C51. 修理前 フイルター・AF基板
C52. 修理後 フイルター・AF基板
             電解コンデンサー9個、TR(トランジスター)4、FET(電解トランジスター)2個、フイルムコンデンサー4個交換
C53. 修理前 フイルター・AF基板裏
C54. 修理(半田補正)後 フイルター・AF基板裏
C55. 完成フイルター・AF基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C61. 修理前 電源基板
C62. 修理後 電源基板 電解コンデンサー6個、TR(トランジスター)6個交換
C63. 修理前 電源基板裏
C64. 修理(半田補正)後 電源基板裏
C65. 完成電源基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C71. 修理前 ヒューズ基板
C72. 修理前B ヒューズ基板裏
C73. 修理(半田補正)後 ヒューズ基板裏
C74. 完成ヒューズ基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
C81. 修理前 バリコン歯車
C82. 修理後 バリコン歯車
C91. 修理前 パネル照明基板。
C92. 修理(交換)後 パネル照明基板。電球1個=3素子LED×3個に交換する。
C93. 修理前 パネル照明基板裏。
C94. 修理(半田補正)後 パネル照明基板裏。LEDには雑音防止の為、セラミックコンデンサー付ける。
C95. 完成パネル照明基板裏。余分なフラックスを落として、コート液を塗る。
CA1. 修理前 メーター照明基板。
CA2. 修理(交換)後 メーター照明基板。電球1個=3素子LED×3個に交換する。
CA3. 修理前 メーター照明基板裏。
CA4. 修理後 メーター照明基板裏。LEDには雑音防止の為、セラミックコンデンサー付ける。
CB1. 修理後 AM受信パネル表示
CB2. 修理後 FM受信パネル表示
CC1. 修理前 電源コード。
CC2. 修理中 電源コードをとり、3Pインレットの穴空け加工中。
CC3. 修理(交換)後 電源コードをとり、3Pインレットに交換。 FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ使用。
CD1. 修理前 入出力RAC端子郡
CD2. 修理(交換)後 入出力RAC端子郡、テフロン絶縁RCA端子に交換。
CE1. 修理前 AMバーアンテナ
CE2. 修理中 AMバーアンテナ。保護ビニールが固くなり割れている。
CE3. 修理後 AMバーアンテナ。保護ビニールを交換する。
CF1. 交換部品
CF2. 交換部品。 足黒TR(トランジスター)、足黒FET(電界効果トランジスター)。
CF3. 交換部品。 足黒TR(トランジスター)2
CF4. 交換部品。 端子と調整ビスの所が酸化した半固定VR。
CG1. 修理前 上から
CG2. 修理後 上から
CG3. 修理前 下から
CG4. 修理後 下から
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. FM受信感度、歪み、分離度測定調整
     <見方>
上の「LEADER 3216P FM ステレオ信号発信器」より信号を出す。 これを受信し出力を測定する。
     表示LED、 左端=変調度、 中左=メモリNo、 中右=出力周波数、 右端=出力レベル。
中=R出力測定。
     「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
     表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
下=L出力測定。
     「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」より測定。
     表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
E01. 75/50Ω変換アダプター。 無線機器のプロ器は、インピーダンスが50Ω。 民生機器は75Ω。
    これを挿入しているので、「LEADER 3216P FMステレオ信号発信器」の信号出力は−5.7dB低くなる。
E1. FMトラッキング調整。 受信周波数78MHZ。
E2. FMトラッキング調整。 受信周波数89.MHZ。
E3. FM モノラル受信測定。
     <見方>
中上の「LEADER 3216P FM信号発信器」より信号を出す。 これを受信し出力を測定する。
        変調度=80%、 出力周波数=83MHZ、 出力レベル=70dB。
中下=R出力測定。
        「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
        変調周波数=1kHz、 出力電圧=1.36V、 歪み率=0.496%。
下=L出力測定。
        「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
        変調周波数=1kHz、 出力電圧=1.36V、 歪み率=0.520%。
E4. FM ステレオ受信測定。
     <見方>
中上の「LEADER 3216P FMステレオ信号発信器」 より信号を出す。 これを受信し出力を測定する。
         これを受信し出力を測定する。
         変調度=80%、 出力周波数=83MHZ、 出力レベル=70dB。
中下=R出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
         変調周波数=1kHz、 出力電圧=1.312V、 歪み率=0.539%。
下=L出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
         変調周波数=1kHz、 出力電圧=1.320V、 歪み率=0.458。
E41. FM ステレオ受信測定(分離度)。Log1313/37.5=30.9dB。
     <見方>
中上の「LEADER 3216P FMステレオ信号発信器」より「R側信号」を出す。
         これを受信し出力を測定する。
         変調度=90%、 出力周波数=83MHZ、 出力レベル=70dB。
中下=R出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
         変調周波数=1kHz、 出力電圧=1.313V、 歪み率=0.539%。
下=L出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
         変調周波数=1kHz、 出力電圧=37.5mV、 歪み率=19.2。
E42. FM ステレオ受信測定(分離度)。Log1320/32=32.3dB。
     <見方>
中上の「LEADER 3216P FM ステレオ信号発信器」より「L側信号」を出す。
         これを受信し出力を測定する。
         変調度=90%、 出力周波数=83MHZ、 出力レベル=60dB。
中下=R出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
         変調周波数=1kHz、 出力電圧=32mV、 歪み率=14.9。
下=L出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
         変調周波数=1kHz、 出力電圧=1.320V、 歪み率=0.485%。
E51. 帯域測定。 Spectrum analyzer RIGOL DS815で測定。
E52. 多段セラミックフイルターです。
E61. AMトラッキング調整 周波数=600kHz。NHK第一放送(594kHz)がかぶり、歪みが多い。
E62. AMトラッキング調整 周波数=1,000kHz。
E63. AMトラッキング調整 周波数=1,600kHz。
E71. AM_IF帯域測定。
E8.  24時間エージング。 右は同時修理 AU−9500. 16台目です。
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況、 正面から見る。
S. SANSUI TU−9500 の仕様(マニアル・カタログより)
型式 FM/AMチューナー
FMチューナー部
受信周波数 76〜90MHz
クワイティングスロープ(入力傾斜特性) 40dB:1.7μV,50dB:3μV,60dB:10μV,70dB:50μV
感度(IHF) 1.7μV
全高調波歪率 mono:0.2%以下、 stereo:0.3%以下
SN比 75dB以上
選択度 80dB以上
キャプチャーレシオ(IHF) 1.5dB
イメージ・フリクエンシー・リジェクション 100dB以上
IFリジェクション 100dB以上
スプリアスレスポンス・リジェクション 100dB以上
ステレオ・セパレーション 40dB以上(400Hz),30dB以上(10kHz)
不要輻射 34dB以上
周波数特性 30Hz〜15kHz +0.5 -2dB
アンテナ入力インピーダンス 300Ω(平衡型)、 75Ω(不平衡型)
AMチューナー部
受信周波数 535〜1,605kHz
感度(バーアンテナ) 46dB/m
選択度 25dB以上
イメージフリクエンシー・リジェクション 100dB/m以上(1MHz)
IFリジェクション 100dB/m以上(1MHz)
総合
出力電圧 0V〜1V、 Tape rec出力:0.4V
消費電力 20W(最大25VA)
外形寸法 幅500x高さ140x奥行347mm
重量 9.5kg
価格 ¥74,800(1973年頃)
特色
  • 新開発FM/AM8連バリコン,位相特性にすぐれた IF段,D.D.C.採用のMPX部など最新の回路技術 を駆使 0.3%以下(1kHz)の 低歪率ステレオ受信を実現
  • 歪率0.3%以下(1kHz)  きれいなステレオ受信ができます
  • 位相補正を行い,  歪を少なくした独特のIF段
  • D.D.C.(差動復調回路)を採用して  セパレーションや位相の乱れを大幅に改善
  • 許容入力130dB・・・強電界地域での  大入力にも美しい受信を約束します
  • 感度,選択度,音質のすぐれたAM受信
  • 定電圧電源回路
  • ノイズ・サプレッサー・スイッチ
  • 同調点が容易に得られる  ワイド・リニアスケールと大型2メーター
  • ミューティング・コントロールにより  FMミューティングの調整が可能
  • ディスクリミネーター出力端子
  • マルチパス観測端子
  • アンテナ入力の損失が少ない75Ω同軸ケーブル専用F型コネクター
  • アンプ用と録音用の2回路の出力端子
  • アンプ用出力レベル調整ツマミ
  • FM,FM STEREO,AMインジケーター
  • ACアウトレット(UNSWITCHED)
                      tu9500-42h
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