Sony TA−F555ESL 修理記録
2022/4/24到着     5/31完成 
A. 修理前の状況
  • ソニー TA-F555ESLを長年(30年ぐらい)使い続けていますが、最近、調子が悪くなってきました。
    分かる限りでは、常時ではありませんが右チャンネルの音がやや小さい。
    また、雑音が入る。
    セレクター?(CDやチューナーなどに切り替えるところ)が、うまく切り替わらない。
    めくら蓋の中のシールが?がれてきた。
    電源ボタンがガタついている。等々です。
    初めて新品で買ったアンプでデザインも気に入っており大変思い入れがある事もあり手放す気持ちにはなれません。
    これを機にオーバーホール、チューニング(予算内で)をして長く使い続けたいと思います。
    また、この時代のアンプは、ハイレゾ音源に対応しているのでしょうか?(ハイレゾ対応にしてほしい)



B. 原因・現状
  • 経年変化による各部劣化。


C. 修理状況
  • 大型を除く、全電解コンデンサー交換。
    半固定VR交換。
    1部フイルムコンデンサー交換・追加。
    1部抵抗交換・追加。
    初段FET(電界効果トランジスター)交換。
    足黒TR(トランジスター)交換。
    SP接続リレー交換。
    終段TR(トランジスター)マイカー絶縁をテフロン絶縁に交換。
    配線手直し、補強。
    基板ハンダ補正。
    電源コードを3Pインレットに交換
    SP接続端子交換 WBT−0705Cu1組使用。


D. 使用部品
  • オーディオ用電解コンデンサー          56個(ニチコン・ミューズ使用)。
    半固定VR                       4個。
    フイルムコンデンサー                6個。
    リレー                          3個。
    複合TR(トランジスター)               2個。
    複合FET(電界効果トランジスター)        2個。
    ヒューズ抵抗                      6本。
    抵抗                           2本。
    3Pインレットに交換。FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。 1個。
    SP接続端子WBT−0705Cu           1組4個。

E. 調整・測定

G. 修理費   175,300円   オーバーホール修理。

Y. ユーザー宅の設置状況

S. Sony TA−F555ESL の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A1. 点検中 元箱入りで送られて来る。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上から見る
A16. 点検中 横パネル・上下蓋を取り、上から見る。
A17. 点検中 横パネル・上下蓋を取り清掃後、 上から見る。
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る
A26. 点検中 横パネル、上下蓋を取り、下から見る。
A31. 点検中 入出力RCA端子郡。 基板に直付けされている。基板裏に回路があり。
A32. 点検中 入出力RCA端子郡。 下記の所の交換か、全部交換を選択可能。今回見送り。
A41. 点検中 SP接続端子。裏に基板があり。
A42. 点検中 SP接続端子。取り付け穴が大きいので、WBT−0705Cuに2組交換可能、今回1組交換。
A51. 点検中 電源コード取り付け部。
A52. 点検中 電源コード取り付け部、 この位置に3Pインレットに交換。
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C1. 修理中 前パネル、基板を外したアコースティカリーチューンドGシャーシ(Acoustically Tuned Gibraltar Chassis)。
C11. 修理前 POWER AMP−B基板。
C12. 修理後 POWER AMP−B基板。 電解コンデンサ−6個、半固定VR2個交換
C13. 修理前 POWER AMP−B基板裏。
C14. 修理(半田補正)後 POWER AMP−B基板裏、 全ての半田をやり修す。フイルムコンデンサー2個追加。
C15. 完成POWER AMP−B基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C16. 修理中 終段FET(電界効果トランジスター)はマイカーで絶縁。
C16. 修理中 終段FET(電界効果トランジスター)をテフロン絶縁に交換。
C17. 完成POWER AMP−B基板裏。
C21. 修理前 POWER AMP−A基板。
C22. 修理後 POWER AMP−A基板 複合FET(電界効果トランジスター)2個、複合TR(トランジスター)2個、電解コンデンサ−14個、半固定VR2個、ヒューズ抵抗6個交換。
C23. 修理前 POWER AMP−A基板裏。
C24. 修理(半田補正)後 POWER AMP−A基板裏  全ての半田をやり修す。
C25. 完成POWER AMP−A基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C31. 修理前 TONE基板
C32. 修理後 TONE基板 電解コンデンサ−4個交換、抵抗2個追加。
C33. 修理前 TONE基板裏
C332. 修理中 TONE基板裏、端子(スズメッキ線)曲げ方向修正。
C34. 修理(半田補正)後 TONE基板裏、  全ての半田をやり修す
C35. 完成TONE基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C41. 修理前 メインVR基板
C42. 修理後 メインVR基板 電解コンデンサ−2個、リレー1個交換
C43. 修理前 メインVR基板裏
C44. 修理(半田補正)後 メインVR基板裏、  全ての半田をやり修す
C45. 完成メインVR基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C51. 修理前 EQ−AMP基板。
C52. 修理後 EQ−AMP基板。
          電解コンデンサ−10個、フイルムコンデンサー2個追加。
C53. 修理前 EQ−AMP基板裏
C54. 修理(半田補正)後 EQ−AMP基板裏。 全ての半田をやり修す。
C55. 完成EQ-AMP基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C61. 修理前 コントロール基板
C62. 修理後 コントロール基板 電解コンデンサ−19個交換
C63. 修理前 コントロール基板裏
C632. 修理中 コントロール基板裏、端子(スズメッキ線)曲げ方向修正。
C64. 修理(半田補正)後 コントロール基板裏、  全ての半田をやり修す
C65. 完成コントロール基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C71. 修理前 入力切替基板、電解コンデンサー1個交換。
C72. 修理中 入力切替基板、SWを分解・清掃。
C73. 修理前 入力切替基板裏
C74. 修理(半田補正)後 入力切替基板裏、  全ての半田をやり修す
C75. 完成入力切替基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C81. 修理前 入出力RCA端子基板
C83. 修理前 入出力RCA端子基板裏
C84. 修理(半田補正)後 入出力RCA端子基板裏、  全ての半田をやり修す
C85. 完成入出力RCA端子基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C91. 修理前 SP出力端子基板
C92. 修理後 SP出力端子基板 リレー2個交換
C93. 修理前 SP出力端子基板裏
C94. 修理(半田補正)後 SP出力端子基板裏、  全ての半田をやり修す
C95. 完成SP出力端子基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
C96. 修理前 SP選択SW基板
C98. 修理前 SP選択SW基板裏
C99. 修理(半田補正)後 SP選択SW基板裏、  全ての半田をやり修す
C9A. 完成SP選択SW基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
CA1. 修理前 入力選択SW基板 & LED表示基板。
CA2. 修理前 入力選択SW基板 & LED表示基板裏。
CA3. 修理(半田補正)後 入力選択SW基板 & LED表示基板裏、  全ての半田をやり修す。
CA4. 完成入力選択SW基板 & LED表示基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
CB1. 修理前 赤外線受光基板 & 電源表示LED基板。
CB2. 修理前 赤外線受光基板裏 & 電源表示LED基板裏。
CB3. 修理(半田補正)後 赤外線受光基板裏 & 電源表示LED基板裏、  全ての半田をやり修す。
CB4. 完成赤外線受光基板裏 & 電源表示LED基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
CC1. 修理前 電解SW基板 & ヘッドホーンジャック基板。
CC2. 修理前 電解SW基板裏 & ヘッドホーンジャック基板裏。
CC3. 修理(半田補正)後 電解SW基板裏 & ヘッドホーンジャック基板裏、  全ての半田をやり修す。
CC4. 完成電解SW基板裏 & ヘッドホーンジャック基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
CD1. 修理前 ヒューズ&コンセント基板。
CD2. 修理前 ヒューズ&コンセント基板裏。
CD3. 修理(半田補正)後 ヒューズ&コンセント基板裏、  全ての半田をやり修す。
CD4. 完成ヒューズ&コンセント基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
CE1. 修理前 ソースダイレクトSW基板 & ミュート基板。
CE2. 修理前 ソースダイレクトSW基板裏 & ミュート基板裏。
CE3. 修理(半田補正)後 ソースダイレクトSW基板裏 & ミュート基板裏、  全ての半田をやり修す。
CE4. 完成ソースダイレクトSW基板裏 & ミュート基板裏、 洗浄後防湿材(コート液)を塗る。
CF1. 修理前 修理前 電源コード取付部。
CF2. 修理中 3Pインレット取付穴、既存の穴を活用。
CF3. 修理中 3Pインレット取付穴加工。
CF4. 修理後 電源コードを3Pインレットに交換。FURUTECH FI-10(R) ロジウムメッキ。
CF5. 修理後 3Pインレット裏配線。 アースはしっかりと取る。
CG1. 修理(交換)前 SP接続端子。
CG2. 修理(交換)後 SP接続端子。WBT−0705Cu使用。
CH1. 修理前 ブロック電解コンデンサー下電極。
CH2. 修理後 ブロック電解コンデンサー下電極。フイルムコンデンサー2個追加。
CH3. 修理前 ブロック電解コンデンサー固定にひび。
CH4. 修理後 ブロック電解コンデンサー固定にひび、接着する。
CI1. パネル清掃
CJ1. 交換部品 
CK1. 修理前 上から
CK2. 修理後 上から
CK3. 修理前 下から
CK4. 修理後 下から
CK5. 完成 リモコン動作確認。
E. 調整・測定。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. 出力・歪み率測定・調整、「電源電圧は50HZ 100V」。
    「見方」。
   上段中 右側出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E11. AUX 50Hz入力、R側出力電圧31V=120W、 0.00152%歪み。
                 L側出力電圧31V=120W、 0.00149%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E12. AUX 100Hz入力、R側出力電圧31V=120W、 0.00204%歪み。
                  L側出力電圧31V=120W、 0.00202%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E13. AUX 500Hz入力、R側出力電圧31V=120W、 0.00810%歪み。
                  L側出力電圧31V=120W、 0.00858%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E14. AUX 1kHz入力、R側出力電圧31V=120W、 0.0111%歪み。
                 L側出力電圧31V=120W、 0.0123%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E15. AUX 5kHz入力、R側出力電圧31V=120W、 0.0120%歪み。
                 L側出力電圧31V=120W、 0.0146%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E16. AUX 10kHz入力、R側出力電圧31V=120W、 0.01273%歪み。
                  L側出力電圧31V=120W、 0.0249%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E17. AUX 50kHz入力、R側出力電圧31V=120W、 0.0258%歪み。
                  L側出力電圧31V=120W、 0.0270%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E21. MM 50Hz入力、R側出力電圧31V=120W、 0.00236%歪み。
                 L側出力電圧31V=120W、 0.00312%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. MM 100Hz入力、R側出力電圧31V=120W、 0.00427%歪み。
                  L側出力電圧31V=120W、 0.00670%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. MM 500Hz入力、R側出力電圧31V=120W、 0.00921%歪み。
                  L側出力電圧31V=120W、 0.00910%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. MM 1kHz入力、R側出力電圧31V=120W、 0.0102%歪み。
                 L側出力電圧31V=120W、 0.0122%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. MM 5kHz入力、R側出力電圧31V=120W、 0.0162%歪み。
                 L側出力電圧31V=120W、 0.0174%歪み。
                 「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E26. MM 10kHz入力、R側出力電圧31V=120W、 0.0371%歪み。
                  L側出力電圧31V=120W、 0.0472%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. MM 50kHz入力、R側出力電圧31V=120W、 0.0860%歪み。
                  L側出力電圧31V=120W、 0.0890%歪み。
                  「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E3. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。 
F5. 引き続き24時間エージング。 左は 左はAU−D907X. 14台目
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況、 正面から見る。
S. Sony TA−F555ESL の仕様(マニアル・カタログより)
型式 プリメインアンプ TA−F555ESL
実効出力(20Hz〜20kHz) 170W+170W(4Ω)
140W+140W(6Ω)
120W+120W(8Ω)
出力帯域幅 10Hz〜100kHz(60W出力、高調波歪率0.02%、8Ω)
高調波歪率 0.001%(10W出力時、8Ω)
混変調歪率 0.004%(定格出力時、8Ω、60Hz:7kHz=4:1)
周波数特性 Phono MM:RIAAカーブ±0.2dB
Line系=2Hz〜200kHz +0 -3dB
SN比 Phono MM=87dB
Phono MC=70dB
Line系=105dB
入力感度/インピーダンス Phono MM=2.5mV/50kΩ
Phono MC(40Ω)=170μV/1kΩ
Phono MC(3Ω)=170μV/100Ω
Line系=150mV/30kΩ
出力レベル/インピーダンス Rec out=150mV/1kΩ
Headphone=25mW/8Ω
トーンコントロール Bass=±7dB(100Hz)
Treble=±6dB(10kHz)
サブソニックフィルター 15Hz以下、6dB/oct
適合スピーカーインピーダンス 4Ω〜16Ω
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 300W
外形寸法 幅470x高さ170x奥行435mm
サイドウッド取外し時の幅=430mm
重量 24kg
付属 ワイヤレスリモコン RM-J350
価格 ¥138,000(1990年発売)
                     taf555esl-4j
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